(1) 逃げ地図を活用した避難訓練

・作成した逃げ地図を活用して、市町村が指定した緊急避難場所や身近な避難目標地点に避難する訓練を合同して行い、避難行動を共有することが望ましい。その場合の避難訓練の方法としては、防災無線等で避難開始を合図し、参加者がそれぞれ決められた避難場所等に移動して避難時間を確認する方法が容易である。

・定期的な防災訓練では、会場を避難場所に見立てて、そこまでの避難経路と避難時間を確認するとともに、集合した会場で、作成した逃げ地図とその内容を紹介して要点を説明する方法もある。

 

●参考事例

秩父市久那地区では、市の合同防災訓練の日に各町会単位で指定避難所等、予め定められた場所に集合し、そこで町会長が自ら連続ワークショップを通して作成した土砂災害からの逃げ地図の要点を参加者に説明して周知を図った。

秩父市久那地区の防災訓練で集まった参加者に町会長が自ら逃げ地図の成果を説明した

秩父市上白久地区では、避難時間を表示した色を塗ることで、所属する区とは関係なく、どちらの区の避難場所に逃げた方が近いかが一目瞭然となり、区の枠組みを超えて避難することが3区の間で合意されたが、町会主催の防災訓練において作成した土砂災害からの逃げ地図を使った避難訓練を実施し、その結果を踏まえて、区の枠組みを超えた緊急避難場所について検討することにした。

(2) 避難訓練においてデータを収集する

・予め定められた時刻に避難を開始して、予め定められた避難場所に集合する場合は、簡単なアンケートを行い、避難に要した時間や参加者の属性等を把握することが望ましい。

 

●参考事例

鎌倉市材木座地区では、材木座自治連合連絡協議会が2013年5月27日の平日午前中、約850人の参加者を得て合同の津波避難訓練を実施した。午前10時にサイレンが鳴り、参加者は地区内3箇所の避難場所のいずれかに10時半までを目標に徒歩で避難し、その経路と時間を地図に記入するアンケートに答えた。同協議会では、研究機関の協力を得てデータを集計し、避難計画の検討に活用した。
参考:タウンニュース鎌倉版2013年6月7日→ http://www.townnews.co.jp/0602/2013/06/07/191068.html

鎌倉市材木座地区津波避難訓練の参加者が自ら避難した経路を記入した地図
鎌倉市材木座地区津波避難訓練の様子
左上:地域住民のほかに幼稚園や保育園、介護老人施設なども参加
右上:地震時には倒壊のおそれのある老朽ブロック塀などもチェックしながら避難
左下:終着地点の避難場所では、避難時間と避難経路などのアンケートに回答
右下:ヘルメットをかぶり、園児をベビーカートに乗せて避難訓練に参加したグループも
鎌倉市材木座地区津波避難訓練参加者の道路通行カウント数を示した地図

・下田市旧市街地区では、2016年10月に作成した逃げ地図を活用して、まちで遊びながら防災について学ぶ「下田遊ぼう祭2016」を開催した。この「遊ぼう祭」では、開発したアプリを使って津波避難ビルへの避難時間を競う「petapeta×防災」のほか、過去の津波の痕跡等の防災資源を学びながら、緊急避難場所の高台に共同で避難する「キツネを探せin下田」が行われ、地区内外から大勢の老若男女の参加者を集めた。
「下田遊ぼう祭2016」http://asobousai.info

逃げ地図に観光情報を加えた下田遊ぼう祭2016のパンフレット
遊ぼう祭で逃げ地図作成後に避難訓練を行ったことを報じた下田中学校の学校便り