(1) 現場点検の重要性

・逃げ地図は、現地の状況を知らない者でも、ハザードマップを読み込み、機械的に色塗りすることにより作成可能である。また、逃げ地図作成を通して、俯瞰的に地域の災害リスクを把握することができる。しかし、重要なことは、現場のリスクに関する認知であり、その状況に応じて必要な改善を図ることである。

・ 作成した逃げ地図を踏まえて、避難経路を歩いて避難目標地点までの歩行時間を計測するとともに、避難目標地点や緊急避難場所等を点検することが重要である。

・現場点検にあたっては、昼間だけでなく、夜間の状況も点検することが望ましい。

(2) 現場での点検結果の記録

・現場での点検結果は、その状況を写真撮影するとともに、その場所を地図上に記し、気がついた点を記述して記録化しておくことが望ましい。

・ 一般に、まち歩きWSの実施後には、用意した地図に気がついた点を記載し、WS参加者の間で共有する。現場点検を実施したら、気がついた点を作成した逃げ地図に上書きして情報を共有することが望ましい。

・「聞き書きマップ」は、身近な地域の安全点検を支援するために開発されたパソコン用の地図づくりソフトである。GPS受信機とICレコーダーとデジタルカメラを持って歩けば、歩いた経路と撮影場所が自動的に記録され、写真を選べば録音した時刻を簡単に検索することが可能である。
「聞き書きマップ」http://evisapo.com/safe-community/kikigaki-map/

(3) ハード面とソフト面の改善策の検討

・逃げ地図WSの成果および現場での点検結果を踏まえて、避難に関するハード面(避難場所や避難経路等の整備)およびソフト面(避難情報の周知や避難訓練の方法等)の両面について改善策を検討する。

・ 改善策の検討にあたっては、要援護者の避難について十分に留意する必要がある。また、昼間だけでなく、夜間の避難についても想定する必要がある。

・「まちの安全点検マップ」というまち歩きからまちの危険箇所を素早く整理できるツールは、まとめたマップを活用して改善策を検討するシートやカードも用意しており、避難に関する改善策の検討にも活用できる。
「まちの安全点検マップ」http://evisapo.com/safe-community/map01/

まちの安全点検マップづくり

●参考事例

秩父市市久那地区では、土砂災害からの逃げ地図を作成したが、土砂災害警戒区域の危険性と緊急避難場所の安全性について共通認識を図る必要があったことから、町会役員と消防団員らが町会ごとに分かれて現場点検を行い、それをもとに再度逃げ地図を作成した。その結果、共通認識のもとに避難目標地点と避難障害地点を設定した逃げ地図を作成することができ、その後の地区防災計画の立案につながった。

秩父市久那地区:土砂災害警戒区域の現場点検
ワークシートを使った現場点検後の逃げ地図づくり